作っていたのは、はなかげシリーズの小さなぐい呑。手の平に収まるほどのサイズながら、宙吹きという技法で作られるその制作工程には、細部に至るまでたくさんの手間と愛情がかけられていました。
同じものはひとつもない、と呟かれた境田さんの言葉が印象的で、形が違うのはもちろん、作られた時間、その時の心情や聞いていた音楽まで全て含め、ひとつひとつの作品に物語があるのだなぁと感じました。
そして作業する境田さんの動線の美しいこと。まるでガラスと戯れているかのようにリズミカルに、且つしなやかに粛々と進めて行く姿にしばし見惚れてしまうほどでした。
お客様への橋渡し役として、また使い手として、ひとつの作品に対する思いがまた豊かになる、充実した時間を過ごすことができました。
工房では見学や制作体験ができる他、ギャラリーショップやカフェもあり、ゆったりとした空間で様々なガラス作品を見ることができます。 桜の季節、新屋の街の散策コースにぜひ入れてみて下さい。